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写真5・4のフュジー機構。
写真4・5で紹介したGranthamのムーブメントをフュジー側から写してみた。
ムーブメント側面の透かし彫りはフュジーの巻過ぎを防止する機構のカバー。
その左側にピラーが見え、ピラーの両脇で左にメインスプリングを収納しているバレル、右に鎖が巻き付いたフュジー(円錐滑車)が見える。
この鎖は自転車等に使用される鎖と同じ構造で、伸びにくくガット(猫の腸)と比べて耐久性が高い。
バージ脱進機はテンションが変わると時間も狂いやすいのでゼンマイをいっぱいに巻いた状態のときはフュジーの細い部分(上部)でバレルからのテンションを落して輪列に伝達し、ゼンマイがほぐれるとともにフュジーの太い部分でテンションを受けることで、輪列に伝達するテンションを均力化する。
写真ではフュジーが四巻きほどほぐれた状態。
アウターケース中央にはドラゴンをモチーフにした彫刻が見える。
インナーケースに施されたゴシック様式の透かし彫りと、アウターケースに施されたロココ様式のリポセ彫刻の対比が美しい。
また、この角度ではムーブメントが直径に対し非常に分厚いことがわかる。
写真4のインナーケース及びリポセケース。
写真4で紹介したGranthamのインナーケース6時位置にある怪物の顔とリポセ彫刻のアウターケースをフィーチュアした。
ゴシック様式とロココ様式の違いはあるが、どちらも大変手の込んだ細工がなされていることがわかる。
インナーケース後方に見えるのはダストキャップを装着した状態のムーブメント。
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写真4の全体写真。
写真4で紹介したGranthamのムーブメント・アウターケース・ダストキャップ等。
ムーブメント中央の複雑な彫刻を施されたバランスコックの基部には怪物の顔をモチーフにした彫刻が見え、バランス(テンプ)の軸受けに使用されたローズカットダイヤモンドが良く見える。
御覧のとおり、あらゆる部分に大変手の込んだ彫刻が施されており、当時は小さな城を売って得た金で時計を購入した等の記録も残っており、大変高価で取り引きされたこともうなずける。
この時計は彫刻の摩耗もあまり見られず機械も調子良く動く為、製造からおよそ250年を経た今日でも十分実用品として使用に耐え、事実この時計の持ち主も普段使い用にこの時計を愛用している。
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写真4の正面。
写真4で紹介したGranthamのダイヤル面。
風防はブルズアイグラスのオリジナル。
ダイヤルは白地のエナメルにローマ数字で時間のインデックスがあり、さらに外周に5分おきにアラビア数字でインデックスがある18世紀中期まで流行したスタイル。
この時計ではグレーのリングでインデックスを囲んだテレフォンダイヤルに近い意匠になっており、さらに金色のドットで1分ごとのインデックスとハーフ・クォータの位置を表す飾りがあり、4色のエナメルで構成される珍しいタイプ。
時分針はアウター/インナーケースと同じく22Kピンクゴールドの無垢材で、透かし彫りが施されたルイ15世ハンド。
ロココ様式のアウターケースとルイ15世ハンドの調和が素晴らしい。
真鍮製の懐中時計スタンド。
豪華な装飾が施された懐中時計スタンドに写真4で紹介したGranthamをセットした状態。
懐中時計は文字板が大きく置き時計としても十分実用になるので、できれば時計に合わせたスタンドを用意し、自宅に居る際にはこのように置き時計としても楽しみたい。
文:秋本 久志
「撮影:HISASHI AKIMOTO」
「撮影機材:ALPA10d with OLD DELFT 38mm/3.5」
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