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昔、「時計は薄いのがよい」と思われていた時期があって、各メーカーが競って薄型時計の開発にしのぎを削ったことがありました。

時計を薄くするためには、まずムーブメントを薄くしなければなりません。
そのためには、各パーツを小型、薄型化し、歯車と歯車の隙間などもできるだけ狭めます。

ムーブメントの土台である地板も薄くし、パーツを支える受も薄くします。
次に、文字盤と針の隙間や、針とガラスとの隙間も出来るだけ狭め、ケースも薄いのを使います。

最後に革バンドやメタルバンドも薄いのを取り付けます。
このような細部に至る薄型化の努力によってはじめて薄型時計が生まれるのです。

デザイン的に見ると、薄型時計は洗練された印象を与えることもあり、作る手間もかかっているので高級感を感じるのもわかるような気がします。
ただ、「高級時計は薄い」という大雑把な見方に対しては疑問を抱かざるを得ません。

実用性から考えると、時計は薄型になればなるほど強度が落ちます。
ケースのアシなどは細く薄く加工されているので厚いものに比べると、曲がりやすくなります。

ムーブメントも薄いので、力を加えられたときにひずみが生じやすくなります。
防水面からみても、十分に厚いパッキンを使用できないので水分が入りやすくなります。
修理の面からみても、各パーツが大変小さく薄く、隙間も狭いので、メンテナンスが難しくなります。
そのために修理料金が高くなることもあります。
このように薄型時計は、通常の時計に比べて維持するのに手間のかかるものなのです。

これから薄型時計、極薄時計をお求めになるときは、ぜひ実用面でのことも考慮されることをおすすめします。

内装パーツは簡単に換えられますが、外装はそうは行きません。
見た目には解らなくとも確実に減っています、ご注意下さいませ。





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