時計本体に傷をつけない革バンドの交換のしかた
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時計の革バンドをご自身で交換される方は多いですね。
また、これからぜひやってみたいという方もたくさんいらっしゃると思います。

ただ、もし交換したい時計が「格別の思い入れのあるもの」だと緊張してしまいますね。
特に、18Kケースのものならなおさらです。

そこで、慎重な交換のしかたをご紹介いたします。
これをご参考に、「快適な革付き時計ライフ」をお過ごし下さい。

まず知っておきたいことを挙げてみます。

時計の革バンドは、ケースのアシと言われる部分の穴にバネ棒がささって固定されています。
このバネ棒は形状の種類がありますが、代表的なのは以下の2種類です。

バネ棒は、太さや長さにも種類がありますのでアシの穴の径やバンド幅に合ったものをお選び下さい。

※注 革バンドについて
バンド幅がケースのアシ幅より1ミリくらい太い革バンドでもなんとか取り付けることが出来ます。
革バンドをコンコンとやさしく、軽くハンマーで叩いて下さい。バンド幅が縮まります。

・高額品ブランドの一部に使われているオリジナルバネ棒は18Kなので特にご注意下さい。(傷が付きやすい上に高価です)

・素材が金以外のバネ棒は錆びます。
錆びてしまったら非常に抜けにくくなる上に、無理に抜く際にケースに傷をつけてしまう可能性があります。
革交換の時に一緒に交換するなど、こまめな交換を心がけましょう。

・これから説明する革バンドの交換は、一般的なバネ棒を使用している時計に限ったものです。
ネジ式のものや、パテック・フィリップに多く使われているレバー付きバネ棒、ジャガー・ルクルトやカルティエに使用されている三つ折りバックル付きのものなどは対象外になりますのでご注意下さい。

用意するもの

@精密ドライバー(マイナス)
Aやわらかい布
Bセロテープ

慎重な動作をする時に手は汗をかきやすいものです。
大事な時計をもっている手をすべらしたりしては大変です。
また、高級クロコダイルの革バンドなどは、汗をかいた手で握っただけで曇りを生じます。
汗をかいた時には、布などの上からしっかりホールディングして下さい。

精密ドライバーの先をバネ棒の溝にぴったりと当てるのを確認して下さい。
この時、革バンドをずらしながら、バネ棒の溝を目で見て確認することをおすすめします。

ドライバーの先がバネ棒に当たったのを感じ取ったら、一気に押し下げて外します。
この時に、何度もガリガリとバネ棒を擦ると、溝がすれてしまい、どんどん外し難くなるのでご注意下さい。

新しい革は、バネ棒を入れる穴がぴったりと閉じていることがあり、そのままではとても入れにくいことがあります。

これを解消するために、バネ棒より太いもの(ばね棒外しの軸、ドライバーの軸など)を先に入れて穴を少し広げておきます。



こうすればバネ棒は無理なく革バンドに入り込みます。

バネ棒を指で押し付けながらケースの足にうまくはめ込んでください。
このときには、あせりは禁物です。
落ち着いてはめ込んでください。
あせるとバネ棒を飛ばしてなくしたり、ケースのアシを傷つけたりします。
バネ棒をケースに押し付けながら片方づつはめ込むとうまくいきます。


●セロテープは大変役に立ちます

ケースのアシなど、傷を付けたくない場所に貼って下さい。
また、必要とあらば何度も貼り変えてください。
セロテープを貼っておけばバネ棒がケースに擦れても傷がつきません。おすすめします。

●ケースアシの外側まで穴のあいている時計の場合

ケースのアシの外側まで穴のあいている時計の革バンドの交換は実に簡単です。
アシの穴に棒を挿し込むだけでバネ棒は外れます。

この時に、「つまようじ」を用意して、その先を少しだけハサミで切って使えば、18Kバネ棒でも傷がつくことはありません。

バネ棒を入れる時は先述の説明の通りやってください。


●バネ棒が錆付いて抜けない場合

まず、古い革バンドをハサミやカッターで切り取ってしまいましょう。
作業をやりやすくするためです。

革バンドがなくなってしまえばバネ棒は外しやすくなります。
それでも錆付いて取れない場合は強力なニッパーで切断するしかありません。

ただし、高価な時計やアンティークウォッチでこれを行うことはおすすめしません。

以上が革バンド交換の Tips です。

自分で自由に革バンドが交換できるようになると、時計愛好家としては精神衛生上とてもよいものです。
これで真夏でも革バンドの時計をつけることができますね。
そう、汗がしみこんで駄目になっても気軽な気持ちで交換できますからね。

ご検討を祈ります。


※ご注意
革バンドの交換はご自身の責任で行って下さい。
この文章を読んで行った行為によって万が一損害が生じても責任は負いません。




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