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●ピン方式メタルバンドの駒の付け外し手順

コマをピンで止めているピン方式メタルバンドは大変多く存在しています。
現在市場に出回っているメタルバンドのほとんどがこの形式です。
これから、このピン方式メタルバンドのコマの付け外し手順をご説明いたします。

メタルバンドのご注意

<用意するもの>

@メタルバンドホルダー

なければ、かまぼこ板などを利用した台を使って下さい。
台には、ピンが抜け出る穴を開けておいてください。

Aピン外し

専用のピン外しを使うのが望ましいですが、無い場合は、ばね棒外しの二股部分を外して(ねじれば回転しながら外れます)お使い下さい。

バネ棒外しもない場合は、丈夫な細い鉄製の棒を何本かご用意下さい。


Bハンマー

<メタルバンドがピン方式かネジ方式かを確かめよう>

これからコマ外しを行うメタルバンドがピン方式かネジ方式かを見分けるためにバンドの裏側をよく見ます。
コマに矢印が書かれていることがあります。
これはすべてピン式です。

つぎに、コマとコマの接合部を見ます。
コマとコマの間には棒状のものが通っていて、これでつながっているのですが、コマを横から見るとこの棒の先が見えます。
その先の様子を見てネジかピンかを判断します。


ネジの頭のように見えればネジ式、ピンの頭のように見えればピン式です。
ただし、ピンが割れピンだと、上から見るとネジのように見えることがあるのでご注意下さい。

●ピン式かネジ式かわからない場合

メタルバンドの裏に矢印もついていないし、ネジかピンかの判断が付かない時には、その時計の金額を考えてみてください。
20万以下の時計はほとんどピン方式です。
メーカーとしては、ネジ式のメタルバンドを作るのにはお金がかかるのです。
(高額な、ねじ切り工作機などを導入しなければならないため)


<叩くピンの位置を確かめる>

コマは、必ず6時方向のコマから外していきましょう。
時計は、バックルの位置が親指方向に寄っている方が付け心地がよいのです。
複数個のコマを外す時には6時側の方を多めに外します。

( 例 )
3コマ外しの場合
6時側から2コマ取る。12時側から1コマ取る。

5コマ外しの場合
6時側から3コマ取る。12時側から2コマ取る。

4コマ外しの場合
6時側から2コマ取る。12時側から2コマ取る。
あるいは、6時側から3コマ、12時側から1コマ取る。

<ピンをハンマーで叩き出す>

コマに矢印がついている場合

ピンは矢印の方向に叩いて抜き、コマを外した後、抜いた状態と全く同じ方向から戻します。
ここで注意しなければいけないのは、抜いた後、ピンを逆の穴から入れてしまうことです。
逆から入れてしまうと入らないことがあります。
ピンは必ず抜いた方向から、抜いた状態と全く同じにして戻して下さい




●コマに矢印がついていない場合

矢印がついていないバンドのコマは、ピンをどちらの方向に叩いてもかまいません。
ちょっと叩いてみて、抜きやすい方向(ピンがよく動く方向)に叩いてください。

※注意

ピンを抜くために叩くとき、ピンが非常に固くささっていて抜けないことがよくあります。
こういうときには無理をしてはいけません。
無理をするとコマも工具も傷めてしまいます。
まず、ピン外しの短いのを用意して叩きます。
短いと、ある程度力を入れて叩いてもピン外しの先が曲がりにくいからです。
そして、短いピン外しが奥まで入ってから長いピン外しを使って叩くのです。

短いピン外しを使っても、どうしても抜けないことがあります。
これは、ピンがコマの内部にある小さいパーツに引っかかってしまっていることが疑われます。
こういう時には、途中まで抜いたピンを戻して、逆の方向に叩いてみてください。
パーツとの引っ掛かりがとれて抜けることがあります。

それでも抜けない時には専門家に任せるしかありません。
ただ、専門家もやることは同じで、何種類ものピン外しを使うか、やっとこや四つ割りという工具で引き抜くか、タガネというたたき出し専門の工具を使うかです。

叩き出しによってピンの大部分が抜けてくると、まだつながっているピンを、やっとこやペンチを使って引き抜くことがありますが、この時にピンを曲げてしまわないよう十分に注意してください。

<ピンが抜けたら>

ピンを外すと、小さい円形のパーツがコマの間から落ちてくることがあります。
なくさないように注意して下さい。
これはカンというパーツで、ピンを摩擦によって支えているものなのです。
カンは大変小さいので、ピンセットなどで扱うと落としてなくす心配がないと思います。



<コマを外し終わってピンを入れる時>

コマのかみ合いに注意しながらピンを叩き入れるのですが、このときに、カンを元の位置(コマの内部)にセットするのを忘れないようにしてください。

ハンマーで叩いて、半分ほどピンが入ったときに何かにつっかえてそれ以上入らないことがあります。
こういう時は、コマがずれていないかを確認してみましょう。


●セロテープが大変役に立ちます

ピンを突き抜いてセロテープを貼っておけば、ハンマーであやまってコマ本体を叩いてしまっても傷をつける心配がありません。

以上がピン方式メタルバンドのコマ外しの Tips です。
自分で自由にコマを調節できるようになると、時計が更にかわいく思えてくるものです。
ご検討を祈ります。


コマ外しはご自身の責任のもとにおやりください。




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