褐色時計の撮影とカメラ
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当サイトの褐色時計協会で使用されているカメラについてのお話しです。






はじめに


カメラの魅力について思いを巡らせているうちに、ふと、
「それは男の子がガンマンに憧れる気持ちに近いのではなかろうか」と思いました。

テレビや映画で見られるヒーローたちは、いつも銃をもっていて、それを使って見事な働きをやってのけます。

悪役の打った弾はなかなか当たりませんが、ヒーローの撃つ弾はいつも心憎い場所に命中します。

ヒーローは油断ということをしません。
気を抜いているようなシーンでも、ひとたび悪役が襲ってくれば、さっと愛用の銃を抜いてさっと恰好よく構え、バンバンバンと見事に命中させるのです。

そして男の子たちはこういう場面をみて、

「いいじゃないか!」

と思います。

当然、

「僕もピストルが欲しい!」
「カッコよく撃ちたい!」

ということになります。


大人でありつつもこういう男の子心を持ちつづける人にとって、いたくくすぐられるのがカメラではないでしょうか。

金属の程よい重みといい、質感といい、操作感といい、シュートするところといい、腕に左右されるところといい、早撃ちしたり狙い撃ちするところといい、カートリッジを使うところといい、照準を合わせるところといい・・・・。 実に似ているところがあるように思うのです。

で、カメラはピストルと違って基本的には平和であるところはポイントです。
本物のピストルを持つのは色々大変ですが、本物のカメラはその気になればいつでも持つことができるのです。



褐色時計協会の秋本氏へのインタビュー


<秋本さんはアルパカメラについては造詣が深く、各方面でご活躍されていますね。
褐色時計協会で使われているご愛用の一品についてお話しを聞かせてください。>

  


一番愛用しているのは、アルパ 10d 一眼レフ。
1968年頃に製造されたものです。

時計部品製造メーカーであるピニオン社が作ったスイスのカメラです。
できのよい手巻き時計のような存在感をもっています。

アルパはもともと大変高価なカメラで、あのライカよりも高額品でした。
高かったためか製造個数も少なく、モデルごとにみてもせいぜい数百台・数千台くらいしか作られていません。
そのためにあまり市場でも見かけることがありません。

また、アルパはよく「使いにくいカメラ」といわれています。
巻上レバー(フィルム巻上レバー)の回転方向の向きが普通のカメラと正反対になっていて、手前に引くように巻くのですが、そういうところが使いにくい。
また、カメラ前面にシャッターボタンがついていて、その位置が普通のカメラと著しく趣を異にしているところ、これもまた使いにくい。
などとよく指摘されます。

しかし、使いにくいと指摘されるところは逆に強烈な個性でもあります。
この巻上レバーの方向、シャッターボタンの変則的な位置は、カメラを縦に構えたときに絶大な効果を発揮します。
カメラを構えたまま右手の人差し指でフィルムを巻き上げることができ、そして、自分の顔へ向けて押すシャッターボタン位置は手ブレを軽減させます。
慣れれば1/4秒でシャッターを切っても大丈夫です。

また、ダイキャストの塊であるこのカメラは、精密かつ頑丈に作られていて、ちゃんと手入れすれば故障知らずで何十年も使いつづけることができます。

このアルパ10dも製造後30年以上が経過しているにもかかわらず、まったく完全に動作しています。
それも腫れ物に触るような使い方ではありません。
毎日、カメラケースにも入れないで無造作にカバンに放り込んで移動していますし、首からぶら下げたときにはあちこちぶつけたり、時には落したりしながらの使用です。
コンクリートの上に落したこともありますよ。
レンズフードはかさばるので使用せず、必要なときには手のひらでフードの代わりをしながら撮影しています。

メインで使っているレンズはオランダ製のオールドデルフト(OLD DELFT)38mm F3.5。
美しくぼけた描写が魅力です。
軽くて薄いレンズで、直径は約50o、長さ(厚み)は17mm、そして重さは70グラムほどです。

この軽さは一眼レフとしての機動力を増します。
いつでも、どこに行くときにも携帯してゆけるので一体感が生まれてきます。

よく使う望遠レンズは、ミュンヘン製のエンナー(ENNA)100mmF4.5 です。
アメリカのアーガスカメラ用の望遠レンズなのですが、アルパ用のマウントを自作して取りつけています。
これも100グラムくらいしかない軽いレンズで、直径は39mm、長さ(厚み)は49mmくらいです。
交換レンズを持ち歩いても軽快です。
描写もいいですよ。

アルパは触りごこちもいいし、話の種に出会った人に見せるのもいいし、スナップにいいし、落ちついた雰囲気で記念撮影するのにいいし、独特なレンズの描写性を生かしたポートレートにまたいいし、日々の生活の日記風に使うのもいいし、そして何よりも、褐色時計を愛するわたしとしては時計の接写に強いのがうれしいところです。



< 時計を接写するときにはどのようにしていますか? >


手持ちのライトで時計を照らしながら、いつも使っているオールドデルフトレンズをいったんカメラから取り外し、それを逆にしてカメラに押しつけながら撮ります。








< 凄い撮り方ですね(笑)>


やってみるとなかなかいいんですよ。(笑)







< レンジファインダーカメラもお持ちのようですが >


愛用しているのはボルシー35ミリレフレックスです。
1953年頃に製造されたものです。

  

一眼レフ・レンジファインダーカメラで、露出計はありません。

ボルシー社とは、アルパ社にいたボルシー(ボルスキー)さんという人が、渡米して作ったメーカーです。

このボルシー35ミリレフレックスのパーツは、スイスで時計部品を製造していたピニオン社が手がけています。

レンズは 50o F2.9 フランスのアンジェニュー社製で、このメーカーは映画用のレンズも作っています。

このカメラは、なんといっても手触りが素晴らしい!
レリーズボタンを押してシャッターが動作したときの感触は、他にはない独特な味わいがありますよ。


< ありがとうございました。 >

ありがとうございました。



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