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時計が進んだり遅れたりするのはどういった原因によるのでしょうか?

まず、進みについて考えてみましょう。
よく、時計に強いショックを与えたり激しい運動をしたりすると、急激に時間が進みはじめることがあります。
それこそ、1時間に数分単位で進み始めるのです。

よく起こりがちな事故なのですが、これは時計の調速をつかさどっているテンプヒゲゼンマイが、隣接しているパーツに引っかかるか、ヒゲのコイル同士で引っかかり合っているか、どちらかの原因が考えられます。

ヒゲゼンマイは長さによって時間の進み遅れを調節する重要なパーツなので、ここに異常が起こるととたんに大幅な狂いを生じさせるのです。
他の事故を考えてみると、時計内の油がヒゲについていたりするとヒゲのコイル同士がくっつき合って時間が進みます。

あるいは、ヒゲが磁気を帯びると、これも同じくヒゲのコイル同士がくっついて時間が進みます。
ちょっと視点を変えると、長期間使用されて弱ってきたムーブメントの動力・輪列部分が、十分なエネルギーをテンプに伝えられなくなるとテンプの振り角が落ちて進みはじめることがあります。

次に遅れの原因を考えてみましょう。
遅れといっても、実際には「止ったり動いたりしている」ものも遅れているように見えることがあります。

例えば、車の軸やほぞが曲がっていたり、歯車に歯ムラがあったりして、回転中に特定の場所で著しい負荷がかかって時計が止ってしまい、何かの拍子に動き出す。
これを繰り返して遅れているように見えることがあります。

あるいは、文字盤が水平に取り付けられていないために、針がある時間をさすとガラスや数字に触れてしまい、そのために遅れることもあります。もちろん、針同士でこすれ合って遅れることもあります。
面白いところでは、針と機械がきっちり接合していないために機械は正常でも、針を置き去りにしてしまう「置きまわり」という事故もあります。

長年の使用によって徐々に遅れるということもあります。
ムーブメントのゴミやホコリ、パーツの汚れ、油の変質や固まり、歯車の磨減、受穴の磨減、エスケープの不具合などが遅れの原因になっていくのです。





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