●名前 犬山 ●登録日時 11/16(木)19:15 パスワード 受け継がれるもの -------------------------------------------------------------------------------- こんにちは。 たまたま手にした某英文雑誌をひらいたら、パテックフィリップの広告があり、 その中になかなか味のあるコピーが載っていました。 「You never actually own a Patek Philippe. You merely look after it for the next generation.」 パテックの魅力、機械式時計の価値を伝える良いコピーだと思いました。 しかし、ちょっと考えてみると、今はそうかもしれないけど、果たしてこれからも そうなんだろうか・・・・・・、という気がしてきました。 どういうことかというと、私たちの世代が受けわたしていく次の世代はパテックを ほんとうに受け継いでくれるのだろうか? という不安があるということです。 Next Generationというとこれから三十年後です。そのころにパテックを身につけるのは今の中学生くらいの年代でしょうか。 彼らも私たちと同じようにパテックの魅力を理解してくれるのでしょうか? という気がしました。 私の仕事は、俗にITと呼ばれる分野に関連しています。 その中で実感として思うのは、これからの時代がまったく予測できないこと、 そして、なにもかもが大きく変わってしまうだろうという予感だけです。 私が今まで経験した三十年とこれからの三十年はまったく違う時間が流れるような 気がしています。 大きな変化の潮流の中で、変わらないものがどれだけ残るのか。 私はきっと老年になったころ、そういうものをいつくしんで生きていくんだろうなぁ。 その中に、機械式腕時計も残ると、いいですね。 ちょっとネガティブな書き込みでした。 ●名前 MAF ●登録日時 11/16(木)23:38 パスワード re(1):受け継がれるもの -------------------------------------------------------------------------------- 犬山さん、こんばんは。  パテックのコピーって(日本語しか知らないのですが、)いいですよね。  最近のTwemty~4の「これからの24時間、あなたは誰に?」の女性の写真も なんとも雰囲気があっていいですよね。 (ロンジンかなんかでそっくりな広告をみましたが、時計自体も同じような 感じのデザインだったので、パテックが本家なんでしょうね。) さて、本題の「受け継がれるもの」ですが、、、  今、小生が身につけているのは96番です。当然ですが、中古で手に入れた ものです。裏に「 LOU 」という刻印があります。多分最初(?)のオーナーの 名前でしょう。(名前からすると中国系の人でしょうか?)  96番は、1932年の発表ですが、手元にあるこの時計はいったい何時頃の のものなのだろうと思ったりします。どんな時間を刻み、どんなシーンに立ち 会ってきたのだろうなどと想像してしまいます。  小生の父は手巻きのオメガをしていました。1960年代からでしたが、小生は、 そのころオメガこそがスイスの最高級の時計だと思っていました。多分多くの日本 人が同じように認識していたでしょう。パテックなんてものがあることを知ってい る人のほうがずっと少数だったと思います。(今でも少数派かな。)    ですから、この96の最初のオーナーってどんな人だったんだろう、結構お金持ち だったんだろうなぁ。などと思ってしまいます。なんでこの時計を手放し、どんな 旅をして、そうして今ここにあるのだろう?  上海あたりの洒落者だったのだろうか? ニューヨークのビジネスエリートだっ たのだろうか?・・・・  夜更けにコチコチと今という時を刻む時計を見ているとそんな想像を掻き立てられて しまいます。  最初のオーナーと、小生は全くの他人ですが、この時計は受け継がれてそして人の人生 とおなじくらいの年月を既に生きています。    また、小生は父の古いオメガを受け継いで行くのでしょうか、、、 では。 ●名前 犬山 ●登録日時 11/20(月)16:50 パスワード re(2):受け継がれるもの -------------------------------------------------------------------------------- MAFさん こんにちは。 お返事いただきありがとうございます。   >今、小生が身につけているのは96番です。 96をお持ちとは羨ましい限りです。 96は時計好きにはひとつの到達点ですよね。 実は、私はパテックは持っておりません・・・・・。 いつかは、という思いは強いのですが、まだまだとても私の人間性がそこまで 成長しておりません・・・・・・・・。 >96番は、1932年の発表ですが、手元にあるこの時計はいったい何時頃の >のものなのだろうと思ったりします。どんな時間を刻み、どんなシーンに立ち >会ってきたのだろうなどと想像してしまいます。 残るものって、やはりいいですよね。 ちょっと大袈裟かもしれませんが、私は二十世紀の文化で後世に残るものがどれだけあるのかと考えると、ほとんどなにもないような気がします。 消費文化の宿命ですから、しかたがないのですが、なにか寂しいですよね。 >小生の父は手巻きのオメガをしていました。1960年代からでしたが、小生は、 そのころオメガこそがスイスの最高級の時計だと思っていました。多分多くの日本 人が同じように認識していたでしょう。パテックなんてものがあることを知ってい る人のほうがずっと少数だったと思います。(今でも少数派かな。)   >ですから、この96の最初のオーナーってどんな人だったんだろう、結構お金持ち >だったんだろうなぁ。などと思ってしまいます。なんでこの時計を手放し、どんな >旅をして、そうして今ここにあるのだろう? >上海あたりの洒落者だったのだろうか? ニューヨークのビジネスエリートだっ >たのだろうか?・・・・ >夜更けにコチコチと今という時を刻む時計を見ているとそんな想像を掻き立てられて >しまいます。 その気持ちは良くわかります。 アンティークの良さって、時間とのつながりなんですよね。 もちろんただのハードウェアですから、時計はなにも教えてはくれませんが、 人はその想像力において、時計を触媒として、時間とながれるんだと 私は思います。 そう考えると、私がなにもかも変わってしまう世の中のに少し、寂しさを感じているのは、つながりがなくなってしまうような気がしているせいかもしれません。 MAFさんはお父様のOEMGAをきっと、大切にされていくんでしょうね。