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時を刻み、時を告げる、時代のかけら。
これが褐色時計です。
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ひとが作り上げた全ての物にはその時代の雰囲気があります。
当時のひとのあこがれ、必要そして次の時代への挑戦が 品物の形、色、機能を決めるのです。
それは時代そのものなのです。 |
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相応の代価を払って、古典時計を手にしたあなたは
その時計の全てを手に入れたと思っていることでしょう。
ところが、その時計を自分のものだと思っているのはあなただけではありません。
代々の所有者も、そう思っていたのです。
あなたが払った代価は、時計の代価ではないのです。
何らかの理由であなたがそれを手放す時までの一次保管の権利を得た代価なのです。 |
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いま、あなたが手にした古典時計がちゃんと動くのなら
それはその時計が愛されてきた証拠です。
不幸にも、持ち主に愛されなかったために 消えていった時計の、なんと多いことか。 |
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幸運にも僅かに生き残った、時代のかけらの 一時保管の権利を手にしたあなたには
その時計を跡形もなく壊す自由があります。
そうしたからといって、誰も文句を言う権利はないのです。 |
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ただ、未来永劫、その存在を消し去ってしまうには
あまりに美しく、長い時を経てきているのでおもいとどまってしまうのです。
そしてまだ見ぬ、次の所有者のためにこの時代のかけらを完全な形で継承していこうと思ってしまうのです。 |
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